突然ですが、僕は近い将来、引っ越すことを考えています。
「だからどうした」と言われるかもしれませんが、ちょっと困ったことがあるんです。
それは、引っ越し先に安定した高速ネット回線がないことです。
僕は今のところ自宅のPCで自動売買アルゴリズムを動かしているんですが、これは光回線があってのことです。
光回線がないとなると、選択肢としてはVPSしかないかなぁ…という感じです。
でも、VPSのスペックにもいろいろあって、どれが最適なのかわかりません。
そこで、使用しているPCの稼働データを見ながら必要なスペックを検討することにします。
自宅PCのスペック
使用しているのはヒューレットパッカードの『HP ProLiant ML350 G6』というサーバーです。
これを自動売買のみに使用しています。
かなり古いモデル(たぶん2010年発売)なのでスペックはあまり高くありません。
CPU | Intel Xeon E5506 (4コア4スレッド、2.13GHz、Nehalem世代) |
メモリ | 6GB |
ストレージ | システムドライブ:58.4GB データドライブ:214GB |
OS | Windows Server 2008 R2 Standard SP1 |
「CrystalMark Retro」というソフトを使用したベンチマークの結果がこちら↓です。
ちなみに、1年ほど前に自作した普段使いのPCの結果がこちら↓。
はじめてベンチマークをとってみたんですが、比較するとかなり性能が低いことがわかります。
これを見た限りだと、ハードの性能にはそんなにこだわらなくてもよさそうな気がします。
自宅PCで稼働させている自動売買ソフト
MT4を5個(EA 7個)、MT5を2個(EA 1個)、cTraderを2個(cBot 0個)動かしています。
プラットフォーム | チャート数 | EA/cBot数 |
---|---|---|
MT4 | 4 | 4 |
MT4 | 2 | 0 |
MT4 | 1 | 1 |
MT4 | 1 | 1 |
MT4 | 1 | 1 |
MT5 | 1 | 1 |
MT5 | 0 | 0 |
cTrader | 0 | 0 |
cTrader | 0 | 0 |
なお、cTraderはFX業者が提供しているものではなく、開発元の公式サイトから直接ダウンロードしたものです。(FX業者からダウンロードしたものは、なぜか起動しなくなってしまったので…)
CPU使用率の確認
タスクマネージャーの「パフォーマンス」タブで確認したところ、CPU使用率はだいたい 5~15%の間でした。
MT4/MT5で気配値を表示すると5%程度、cTraderでチャートを表示すると 10%くらい使用率が上がります。
また、すべてのウィンドウを最小化すると使用率は 0~5%になります。
たまに上昇することがあっても 10%いきません。
自宅PCの低い性能のCPUでも 1コアでよさそうな使用率です。
というわけで、よほど低性能なCPUが使われていない限りVPSの仮想CPU数は 1個でもなんとかなりそうな気がします。
できるだけウィンドウを最小化しておく、気配値を表示しない、チャート数を最小限にするなどの工夫は必要かもしれませんが。
メモリ使用量の確認
タスクマネージャーの「パフォーマンス」タブで確認したところ、システム全体のメモリ使用量は 2.6GBほどでした。
アプリごとのメモリ使用量は下表のようになります。
起動から徐々に使用量が増えるようだったので、1週間後の値を載せています。
プラットフォーム | チャート数 | EA/cBot数 | メモリ使用量*1 |
---|---|---|---|
MT4 | 4 | 4 | 131.1 MB |
MT4 | 2 | 0 | 74.4 MB |
MT4 | 1 | 1 | 68.5 MB |
MT4 | 1 | 1 | 69.3 MB |
MT4 | 1 | 1 | 67.9 MB |
MT5 | 1 | 1 | 157.9 MB |
MT5 | 0 | 0 | 152.3 MB |
cTrader | 0 | 0 | 353.3 MB |
cTrader | 0 | 0 | 337.8 MB |
合計 | 10 | 8 | 1412.7 MB (≒1.38GB) |
パッと見てわかるのが cTraderの使用量の多さ。
しかも、チャートを表示したり、ちょっと操作したあとに確認したら 500MBぐらいになっていました。
cTraderを使うならメモリを多めにする必要がありそうです。
また、MT5も MT4に比べると使用量が増えているので、たくさん起動する場合は注意が必要そうです。
いずれにしても、表示するチャート数を増やすとメモリ使用量も増えるので、チャートは最小限にしたほうがよさそうです。
ストレージ使用量の確認
エクスプローラーで確認したところ、システムドライブの「空き領域」は 24.7GBでした。
ドライブの容量は 58.4GBなので、システム全体のストレージ使用量は 33.7GBです。
アプリごとのストレージ使用量は下表のようになります。
プラットフォーム | チャート数 | EA/cBot数 | ストレージ使用量*1 |
---|---|---|---|
MT4 | 4 | 4 | 114.3 MB |
MT4 | 2 | 0 | 74.0 MB |
MT4 | 1 | 1 | 64.9 MB |
MT4 | 1 | 1 | 64.4 MB |
MT4 | 1 | 1 | 63.8 MB |
MT5 | 1 | 1 | 299.3 MB |
MT5 | 0 | 0 | 314.0 MB |
cTrader | 0 | 0 | 1244.2 MB |
合計 | 10 | 8 | 2238.9 MB (≒2.2 GB) |
ここでも cTraderの使用量が圧倒的に多いです。
公式サイトからダウンロードした cTraderは、FX業者ごとにアプリをインストールする必要がないんですが、それにも関わらず合計の半分以上を占めています。
あとはメモリのほうと同じで、MT5の使用量が MT4と比べて増えています。
いろんなFX業者の MT5をインストールする場合は注意が必要そうです。
まとめ
今の自宅PCの環境をそのままVPSへ移行するとなると、
仮想CPU | 1~2 個 |
メモリ | 3 GB |
ストレージ | 40 GB |
ぐらいのスペックが必要そうです。
また、ハードの性能にはあまりこだわる必要がなさそうです。(たとえば「CPUの性能はxxx以上じゃないとだめだ」とか、「ストレージはSSDじゃないとだめだ」ということはなさそうです)
あとは、もしも価格的に厳しい場合には cTraderを削るのが効果的だと思いますが、まずはVPS業者の料金プランとスペックを調べてから考えることにします。