海外FX業者の信頼性/安全性を比較してみた

海外FXの信頼性/安全性を比較してみた 業者比較
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今回は金融ライセンスや顧客資産保護の観点から海外FX業者の信頼性/安全性を比較してみようと思います。
せっかく口座を開設してトレードをはじめたのに業者が破産してしまったり、そのうえ入金した資金が返ってこないなんてことになったら悲しいので…。

なお、比較対象は『自動売買ができるFX業者』の中の海外FX業者になります。

金融ライセンス

日本居住者を対象とする運営会社が金融ライセンスを持っていて、さらにグループ会社が別のライセンス、特に取得が難しいと言われるイギリスFCA/キプロスCySEC/オーストラリアASICのライセンスを持っている業者を信頼性が高いと判断しました。

以下に条件を満たす業者と、その所持ライセンスを列挙します。

  • Exness
    日本居住者向け:セーシェルFSA、キュラソーおよびシント・マールテンCBCS、ヴァージン諸島FSC(どのライセンスが適用されるのかは不明)
    グループ会社:イギリスFCAキプロスCySEC、モーリシャスFSC、南アフリカFSCA、ケニアCMA
  • FxPro
    日本居住者向け:モーリシャスFSC
    グループ会社:イギリスFCAキプロスCySEC、南アフリカFSCA、バハマSCB
  • easyMarkets
    日本居住者向け:ヴァージン諸島FSC
    グループ会社:キプロスCySECオーストラリアASIC、セーシェルFSA
  • IC Markets
    日本居住者向け:セーシェルFSA
    グループ会社:キプロスCySECオーストラリアASIC
  • FXGT.com
    日本居住者向け:セーシェルFSA
    グループ会社:キプロスCySEC、バヌアツVFSC、南アフリカFSCA
  • XMTrading
    日本居住者向け:セーシェルFSA、モーリシャスFSC(口座開設時にどちらかを選択)
    グループ会社:キプロスCySEC
  • VT Markets
    日本居住者向け:モーリシャスFSC
    グループ会社:オーストラリアASIC、南アフリカFSCA
  • FBS
    日本居住者向け:バヌアツVFSC
    グループ会社:オーストラリアASIC、ベリーズFSC
  • FXTRADING.com
    日本居住者向け:バヌアツVFSC
    グループ会社:オーストラリアASIC
  • TitanFX
    日本居住者向け:バヌアツVFSC
    グループ会社:ヴァージン諸島FSC、セーシェルFSA、モーリシャスFSC
  • Tradeview
    日本居住者向け:ケイマン諸島CIMA
    グループ会社:マルタFSA、モーリシャスFSC、ラブアンFSA

対象のライセンスを本当に持っていることは、ライセンスの発行元で確認しました。

日本居住者向けのサイトとは別サイトで運営されているなどの理由で、グループ会社が持っているライセンスについては調べ切れていない可能性があります。

セントビンセント・グレナディーンFSAのライセンスについては、同FSA自身が外国為替取引仲介活動は認可されていないとしてして注意を促していることからカウントしていません。

顧客資産保護

資金管理方法

これについては、本当に業者が記載している内容で資金管理しているかどうかを確認しづらいです。

金融ライセンスによっては分別管理を取得要件としているようですが、法律に詳しいわけでも英語に堪能なわけでもないので3つくらい調べたところで心が折れました…。

あと、ある業者のサイトに信託口座で管理している旨の記載があったので、サポートに「これって信託保全と思っていいの?」と確認してみましたが、’Yes’とも’No’とも取れない曖昧な回答しかもらえませんでした。

そんなわけで基本的には業者が言っていることを信じるしかないのですが、以下のような業者を信頼性が高いと判断しました。

  • 運営会社と顧客の資金を分けて管理(分別管理)している
  • 顧客の資金を別口座(信託口座だとなおよし)で管理している
  • 預託先の銀行名を記載している(第三者の名前を出す以上、ある程度の信憑性があると考えられる)

以下に条件を満たす業者を列挙します。

いちばん踏み込んだ記載をしているのがAXIORYです。
”信託保全”という単語も使用しているし、破綻したときに”「口座名義であるお客様の承諾」と「機構による承諾」”がないと出金できない(=ほかの債権者に横取りされない)ことも記載されています。
また、”確定運用損益、未決済の評価損益”が補償されることも明記しています。

唯一、以前は銀行名の記載があったのに、それが削除されたことがちょっとだけ気にはなります。

顧客の資産はどのように管理されますか?

お客様からお預かりした資金は、口座タイプを問わず信託保全先の銀行にて、弊社の資金と区別し管理されます。(クレジットカード決済代行会社、その他集金代行業者の場合、一旦弊社コーポレートアカウントに入金され、お客様の預託該当資金分を信託口座に預託いたします。)

AXIORY>会社概要>よくあるご質問>会社について>顧客の資産はどのように管理されますか?

(1) 顧客資産の分別方法
弊社では、顧客からお預かりしたすべての口座タイプの資金は、一旦お客様資金保全先である分別管理保管銀行口座へ入金され、弊社運営資金とは完全に分離した状態にて管理保管されます。
(クレジットカード決済代行会社、その他集金代行業者の場合、一旦弊社コーポレートアカウントに入金され、お客様の預託該当資金分を分別管理保管口座に預託いたします。)

(2) 分別資金の権限
当該金融機関にて分別保管されている資金を引き出す場合、以下の権限と承認者によって管理されています。

監査(第三者)機関とは、弊社の財務監査機関、会計士、弁護士から構成された外部機関です。
万が一弊社が破綻した場合、「口座名義であるお客様の承諾」と「機構による承諾」のみの権限で、これらの資金を出金することができます。

その場合、監査機構が一時的な管財人となり、お客様の個別の資金は返還されます。

補償される資金は、入出金額並びに確定運用損益、未決済の評価損益となります。
万が一弊社が破綻した場合、監査機構の名義から返金されます。

AXIORY>はじめに>ライセンス より一部抜粋

顧客資金は”世界有数のトップ銀行”の”顧客信託口座”で分別管理されます。
また、顧客資金には”口座残高だけではなく含み益”が含まれ、毎日”残高調整”が行われていることが明記されています。

分別管理ポリシー

お客様からお預かりした資金は全て、Titan FXの事業資金とは完全に区分して保管されており、世界有数のトップ銀行で信託保管されています。個人及び機関投資家の皆様からお預かりしている顧客資金は、口座残高だけではなく含み益も合わせて分別管理されており、他の目的で使用されることは決してありません。

日次残高調整

Titan FXでは、弊社とお客様との間に発生した決済額を割り出すため、日次残高調整を行なっています。Titan FXから顧客信託口座へ、そして顧客信託口座からTitan FXへの決済手続きを行い、残高照合を行います。TitanFXで分別管理をしているお客様からの預かり残高には、お客様の含み益も含まれます (合計有効証拠金)。

TitanFX>クライアント>銀行情報 より一部抜粋

顧客資金は”Tier1銀行の顧客信託口座”で分別管理されます。

顧客資金はどこにありますか?

ThreeTraderは、規制に則りTier1銀行の顧客信託口座に顧客資金を保有しています。

ThreeTrader>よくある質問>その他>顧客資金はどこにありますか?

顧客資金は信託口座で分別管理されます。
銀行についての記載はありませんでした。

MYFX Marketsの資金管理

お客様の資金はすべて弊社の信託口座で管理されます。お客様に安心してお取引頂けるよう外部監査、厳正な内部手続きと規制による資金安全管理を徹底しております。

MYFX markets>会社概要>MYFX marketsについて より一部抜粋

顧客資金は”Tier 1 banks”(ティア1銀行)の”segregated client money accounts”(分離された顧客資金口座)で分別管理されます。

なお、以前は口座の種類を”client trust accounts”(顧客信託口座)としていましたが、”client money accounts”(顧客資金口座)という書き方に変わりました。
また、預託先についても”ウエストパック銀行”、”ナショナルオーストラリア銀行”と明記されていましたが、”Tier 1 banks”という書き方に変わりました。

Where is my money held?

IC Markets Global holds client money in segregated client money accounts in Tier 1 banks.

IC Markets>More>Help Cntre>Questions about IC Markets Global

顧客資金は”top reputable banks in the world”(世界でトップクラスに信頼できる銀行)の”segregated account”(隔離された口座)で分別管理されます。

Where is my money held?

At VT Markets, your funds are safely kept in a segregated account with top reputable banks in the world.

VT Markets>Help Cntre>About VT Markets>Fund Security

顧客資金はナショナルオーストラリア銀行へ預託して分別管理されます。

顧客資金保護

お客様の資金はショナルオーストラリア銀行で預託分別し管理を行っています。
また、当社の定めるコンプライアンスに基づき、定期的に外部監査を実施しております。

FXTRADING.com>企業情報>規制 より一部抜粋

”ショナルオーストラリア銀行”と先頭の”ナ”がないのは、ただの脱字だと思います…。

賠償責任保険

いくつかの業者は賠償責任保険に加入していることを公表しています。
顧客資産保護という観点では、業者が破産したときに戻ってくる資金に影響があるかと思います。

公表している業者の数が多くないので、すべての業者を列挙します。

運営会社である”Raw Trading Ltd”が破産したときに顧客ひとりあたり最大100万米ドルまで補償される保険に加入しています。
顧客ひとりあたりの補償額を明示しているのはこの業者だけです。

保険証明書も公開されています。

What is IC Markets Global’s Insurance Coverage?
We have added additional protection on your funds so you can continue trading with more confidence. The insurance will cover up to US$1,000,000 per client.

What does the Insurance Coverage include?
The Insurance Coverage includes the available balance and open CFD positions of the client.

Can I benefit from the Insurance Coverage?
The Insurance Coverage is available to all the IC Markets Global clients of Raw Trading Ltd, and will be triggered only in the unlikely event of Raw Trading Ltd’s insolvency.

IC Markets>More>Insurance より一部抜粋

最大500万ユーロが補償される保険に加入してします。
顧客ひとりあたり500万なのかどうかは記載されていません。

保険証明書も公開されています。

市場トップレベルの保険

当社はお客様をはじめとする第三者に対する債務に関して、 500万ユーロを上限とする民事賠償保険制度で、追加の保護対策を講じています。この保険は、誤謬、脱漏、過失、詐欺など金銭的損失につながる多様なリスクをカバーする業界でも有数の手厚い補償内容です。

HFM>当社>資金の安全性 より一部抜粋

最大100万ユーロが補償される保険に加入してします。
顧客ひとりあたり100万なのかどうかは記載されていません。

保険証明書も公開されています。

賠償責任保険

当社のお客様には、最大100万ユーロを補償する保険がかけられています。こちらの保険契約では、顧客及び第三者に対する過失、不作為、詐欺、経済的損失をもたらす可能性があるその他のリスクに対する責任を補償します。

FXGT.com>当社について>資金の安全性 より一部抜粋

最大50万米ドルが補償される保険と、最大250万米ドルが補償される保険に加入してしています。
補償額が顧客ひとりあたりなのかは記載されていません。

保険契約には以下が含まれます:

・専門家賠償責任保険 (Professional Indemnity Insurance) は、専門的な過失、不作為、または過失に起因する請求に対する保護を提供します。各請求および合計の限度額は500,000米ドルであり、潜在的な請求に適切に対処し、お客様に最高水準のサービスを維持する準備が整っています。
・役員賠償責任保険 (Directors & Officers Liability Insurance) は、不正行為の疑いによる個人的責任からTitan FXの役員を保護するもので、各請求および合計で最高2,500,000米ドルの保護を提供します。

TitanFX>会社概要>規制 より一部抜粋

保険会社の記載はありますが、証明書は公開されていません。

Titan FXでは、お客様とその保護を重視しており、大手保険会社であるハウデン・グループ https://www.howdengroup.com/ (Howden)と契約を締結し、お客様と弊社のビジネスの安全と保護を確保しています。

ハウデンは、世界45カ国に拠点を持ち、25,000人以上のスタッフを擁するグローバルな保険会社で、揺るぎない誠実さと大胆な起業家精神をモットーとしています。

また、弊社の主契約保険会社として英国ロイズ保険組合 (ロイズ・オブ・ロンドン) に拠点を置くロイズ・シンジケート1274のアンタレス・アンダーライティングとも契約しています。格付け:A (https://www.lloyds.com/en-cn/lloyds-around-the-world/underwriting-divisions/antares)

TitanFX>会社概要>規制 より一部抜粋

保険会社の記載はありますが、補償額などの記載はありません。
証明書も公開されていません。

ロイズシンジケートのハミルトン・グループ

IFCMARKETS. CORP.は、100%のロイズシンジケートのハミルトン・グループから専門職業人賠償責任保険書を保有しています。

IFC Markets より一部抜粋

保険会社、補償額などの記載はありません。
証明書も公開されていません。

賠償責任保険

Vantage Tradingは、当社の代表者、従業員およびその他の承認された代理人による業務を補償する職業賠償責任保険に加入しています。

Vantage Trading>Vantage Tradingを選ぶメリット より一部抜粋

保険会社、補償額などの記載はありません。
証明書も公開されていません。

信頼できる外国為替ブローカーを選ぶ

VT Marketsは、世界の金融規制当局の要請を上回る、卓越した取引環境をお客様に提供することに全力を尽くしています。

この業界では、トレーダーは安心感を持って取引できる信頼性の高いプラットフォームを求めていることを当社は理解しています。VT Marketsは、複数の規制当局、損害賠償保険、AA格付けのカストディアン銀行が資金を保全し、世界中の顧客から20万を超えるアクティブな取引口座を集めるなど、日々の資産の安全性とセキュリティについて信頼を得ています。

VT Markets>当社について>私たちについて より一部抜粋

The Financial Commissionへの加盟

業者との間に問題があったときにThe Financial Commissionへ苦情をあげると、同Commissionから最大2万ユーロが補償される可能性があります。
”可能性”と記載したのは、まずThe Financial Commissionが顧客側に有利な判決をくだし、かつ業者がその判決に従わなかった場合にのみ補償されるからです。

なお、業者の破産に対しての補償ではないので、その点は注意が必要です。
出金拒否とか口座凍結などのときに最大2万ユーロが補償される可能性があるぐらいに思っておいたほうがいいかもしれません。

The Financial Commissionのサイトで加盟が確認できた業者は以下のとおりです。

*1:Exness B.V.とExness (VG) Ltdの証明書はありましたが、E​xness (SC) Ltdの証明書はありませんでした。「Exness」という社名っぽくない証明書もあったので、もしかしたらそちらに含まれるのかもしれません。

営業年数

単純に営業年数が長いほうが信頼性が高いと判断します。
それだけいろいろな経済危機をくぐり抜けてきているわけですから。

以下に営業年数が10年以上の業者を、営業年数が長い順に列挙します。
なお、営業年数が業者のサイトで公表されていないところは含まれません。

まとめ

基本的にはいろんな項目で名前があがっている業者が信頼性/安全性の高い業者ということになると思います。

その中で経営危機とか破産ということになりにくそうな業者は ExnessFxProeasyMarketsあたりではないでしょうか。
いずれの業者も取得難度の高いものを含む複数の金融ライセンスを持っていて、さらに営業年数も長いです。
特に Exness はグループ全体での月間取引額、月別顧客数、期間ごとの出金額などを公開しており、単に透明性というだけではなく、経営への自信のようなものを感じます。

また、破産したとしても資金が戻ってくる可能性が高そうな業者をあげるなら AXIORYIC Marketsだと思います。
AXIORYは信託保全であることを明記していますし、IC Marketsは損害賠償保険で最大100万米ドルまで補償されます。

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