突然ですが、国内FXと海外FXってどっちがいいのか悩みませんか?
7年ほど前、僕はいろいろと調べて海外FXを選びました。
ただ、そのときはFXの経験がなかったので今と同じ結論にいたるかはわかりません。
それに大切なことを見落としていたかもしれません。
そこで、今回は僕が思う国内FXと海外FXのいいところを再整理してみることにしました。
国内FXのいいところ
入出金がしやすい
だいたいの国内FX業者にはクイック入金とかダイレクト入金というものがあります。
業者が指定する銀行とインターネットバンキング契約をしていないと使えませんが、手数料は一切かかりません。
クイック入金が使えなかったとしても指定の銀行口座へ振り込むだけです。
必要な手数料は銀行への振込手数料だけです。
”月に~回までは振込手数料が無料”というような銀行を利用すれば振込手数料もかかりません。
出金は自分の銀行口座への振り込みを依頼するだけです。
手数料は必要ありません。
海外銀行送金、国内銀行送金、クレジットカード、電子ウォレット、仮想通貨など手段がいろいろあって、どれがいいのか考えないといけません。
手数料についても、業者は手数料を取らないけど決済会社の手数料が…とか、中継銀行の手数料が…とか、着金した銀行の手数料が…という具合になんだかんだ手数料がかかることが多いです。
あとは入金と出金を同じ手段で…とか、利益分はこの出金手段で…とかもあって、いろいろ面倒くさいです。
(利益が多いほど)税金が少なくてすむ
国内FXで得た利益にかかる税率は一律20.315%(所得税15%、住民税5%、復興特別税0.315%)です。
どんなに利益が多くなっても20.315%です。
15.105%~55.945%(所得税5~45%、住民税10%、所得税に対して復興特別税2.1%)の税金がかかります。
累進課税といって所得が多くなるほど税率も上がる仕組みです。
税率が”20.315%”を下回るうちは海外FXのほうが税額が抑えられますが、給料などの他の収入も所得に含まれるので兼業でやる場合は特に不利になります。
業者が破産したときに資金が戻ってくる可能性が高い
国内FX業者は顧客資金の信託保全を行う必要があります。
そのため業者が破産したとしても口座にある資金は返却される可能性がとても高いです。
また、自己資本比率に規制があったり、ゼロカットなしだったりで破産リスク自体も海外FX業者より低いと思います。
資産保護や補償の内容は業者によってまちまちで、個別に確認しないといけなくて面倒です。
取引コストが安い傾向にある
手数料とスプレッドをあわせた取引コストは国内FX業者のほうが安いことが多いです。
ただ、国内FX業者はスキャルピングを歓迎していないところもあるので注意が必要です。
(スキャルピングなどの短い周期でたくさんのロット数を取引する人のほうが取引コストを気にするのではないかと思うので念のため)
USDJPY(ドル円)の取引コストを比較しました。
対象となるFX業者はMT4/MT5/cTraderのいずれかで自動売買できて、かつ 2024/4/6 3:30 前後にライブスプレッド値を確認することができたところです。
まず、”手数料 + スプレッド”が安い順に10業者を選んだのが下の表です。
上位を国内FX業者がしめているのがわかります。(肌色の行が国内FX業者です)
FX業者(口座タイプ) | 手数料 | スプレッド | 手数料+ スプレッド |
---|---|---|---|
OANDA証券(東京サーバー) | なし | 0.3pips | 0.3pips |
FXTF(MT4) | 新規1万通貨あたり20円 | 0.2pips | 0.4pips |
外為ファイネスト(不明) | なし | 0.5pips | 0.5pips |
Tradeview(ILC) | 往復5ドル/ロット | 0.1pips | 0.6pips |
AVATRADE (プレミアムコース) | なし | 0.6pips | 0.6pips |
AVATRADE (プロフェッショナルコース) | なし | 0.7pips | 0.7pips |
FOREX EXCHANGE (俺のMT4) | なし | 0.7pips | 0.7pips |
FXTRADING.com (Pro口座?) | 往復600円/ロット | 0.2pips | 0.8pips |
TitanFX(ブレード口座) | 往復720円/ロット | 0.1pips | 0.82pips |
FXDD(プレミアム口座) | 往復598円/ロット | 0.3pips | 0.898pips |
海外FX業者によっては取引ごとにキャッシュバックを受けることができます。
そこで、それを加味した”実質コスト”が安い順に10業者を選んだのが下の表です。
差は縮まりましたが、それでもまだ国内FX業者のほうが上位にいます。
FX業者(口座タイプ) | 手数料 | スプレッド | 手数料+ スプレッド | キャッシュバック*1 | 実質コスト |
---|---|---|---|---|---|
OANDA証券(東京サーバー) | なし | 0.3pips | 0.3pips | なし | 0.3pips |
Tradeview(ILC) | 往復5ドル/ロット | 0.1pips | 0.6pips | 212.5円/ロット | 0.3875pips |
FXTF(MT4) | 新規1万通貨あたり20円 | 0.2pips | 0.4pips | なし | 0.4pips |
外為ファイネスト(不明) | なし | 0.5pips | 0.5pips | なし | 0.5pips |
FXTRADING.com (Pro口座?) | 往復600円/ロット | 0.2pips | 0.8pips | 0.24pips | 0.56pips |
AVATRADE (プレミアムコース) | なし | 0.6pips | 0.6pips | なし | 0.6pips |
TitanFX(スタンダード口座) | なし | 1.1pips | 1.1pips | 0.5pips | 0.6pips |
FXDD(プレミアム口座) | 往復598円/ロット | 0.3pips | 0.898pips | 272円/ロット | 0.626pips |
TitanFX(ブレード口座) | 往復720円/ロット | 0.1pips | 0.82pips | 180円/ロット | 0.64pips |
MYFX Markets (スタンダード口座) | なし | 1.2pips | 1.2pips | 0.54pips | 0.66pips |
海外FXのいいところ
(ゼロカットありの業者なら)預けた金額以上の資金を失わない
「~ショック」とかで相場が急変してロスカットが間に合わないと口座残高がマイナスになることがあります。
口座残高がマイナスになったとき、ゼロカットありの業者ならマイナス分をなかったことにして残高をゼロにリセットしてくれます。
つまり、ゼロカットありの業者なら最悪でも口座にある金額しか失わないということです。
しかも高いレバレッジと低いロスカット水準によって預ける資金自体も少なくできます。
以下のような場面で必要になる資金について考えてみます。
- USDJPYを150円で100,000通貨取引する
- 30pips(3万円)の含み損に耐えたい
[ レバレッジ25倍、ロスカット水準100%(一般的な国内FX業者)の場合 ]
必要証拠金が (150 × 100,000) ÷ 25 = 600,000円なので、有効証拠金が 600,000 × 100% = 600,000円を下回ると強制ロスカットになります。
そのため 30pips(3万円)の含み損に耐えられるようにするには 600,000 + 30,000 = 630,000円が必要になります。
[ レバレッジ500倍、ロスカット水準20%(一般的な海外FX業者)の場合 ]
必要証拠金が (150 × 100,000) ÷ 500 = 30,000円なので、有効証拠金が 30,000 × 20% = 6,000円を下回ると強制ロスカットになります。
そのため 30pips(3万円)の含み損に耐えられるようにするには 6,000 + 30,000 = 36,000円が必要になります。*1
よって、上記の差額である 630,000 – 36,000 = 594,000円は業者に預ける資金を少なくできます。
*1:必要証拠金である30,000円を下回ることはできません。例えば耐えられる含み損が10pips(1万円)でいい場合 6,000 + 10,000 = 16,000円となりますが、業者には30,000円を預ける必要があります。
ちなみにゼロカットなしの業者だとマイナス分を入金する必要があります。
それがいくらだったとしてもです。
なお、海外FX業者だからといって必ずゼロカットしてくれるわけではないので注意が必要です。
一律でゼロカットなしです。
取引ででた損失はすべてトレーダーが負担する必要があります。
リスクをとることができる/とりやすい
前述のように同じ取引量なら高いレバレッジと低いロスカット水準のほうが必要な資金は少なくてすみます。
逆にいうと同じ資金なら取引量を多くできるという事でもあります。
取引量が多いと損益が増えます。
いいかえると、取引量が少ないときよりハイリスク・ハイリターンになります。
このことは「取引量の増減によるリスクコントロールの余地が大きい」ともいえると思います。(大きくなっているのはハイリスク側へですが)
具体的には「FXにまわせる資金が少ないうちは多少リスクをとってでも取引量を多くして資金を増やす」というようなことがやりやすくなります。
あと、ゼロカットありの業者ならマイナス残高を心配する必要がないぶんはリスクをとりやすいです。
リスクをとりたくても「証拠金が足りなくて取引量を増やせない」ということになる可能性があります。
取引方法に制限が少ない
EA/cBotの使用、スキャルピングなどに制限がないことが多いです。
取引プラットフォームにMT4/MT5/cTraderを採用していない業者もよくあります。
採用していても自動売買禁止の口座もあります。
また、制限なしでスキャルピングが可能だと明言している業者は少ない印象です。
取り扱い銘柄が多い
通貨ペアだけでなく貴金属・エネルギー・株価指数・仮想通貨など、いろいろな銘柄を取り扱っている業者が多いです。
通貨ペア同士を比較しても海外業者のほうが銘柄数は多い傾向があります。
銘柄が多ければいいというわけではありませんが、いま持っている手法をいろんな銘柄で試してみるとか、あたらしい銘柄で手法を考えるとか、チャンスは広がると思います。
取り扱っているのが通貨ペアだけという業者も少なくないです。
また、通貨ペア以外の取り扱いがあっても別口座を開設する必要があり、通貨ペアと同じ口座では取引できません。
まとめ
資金が少ないうちは海外FXで少しリスク高めの取引をしながら資金を増やすのがいいと感じました。
ただし、業者は信頼性が高くてゼロカットもありのところで。
預ける資金は必要最低限で。
取引コストが気になるならキャッシュバックを受けるのがいいと思います。
その後、税金がきつくなったり、預けている資金が業者が破産したときに戻ってこなかったら耐えられないと思うような額になったら国内FXに乗り換えることを検討するのがよいのではないでしょうか。