TariTali(タルタリ)の無料EAを検証してみた

TariTali(タルタリ)の無料EAを検証 アルゴリズム探索
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先日、キャッシュバックサービスを比較 したとき、キャッシュバックサイトの一つの TariTali(タリタリ)で無料EAが提供されていることを知りました。

しかも100個もあります!
(正確には100種類のEAに、それぞれMT4用とMT5用があるので合計200個)

多けりゃいいってもんでもないけど、これだけあれば中にはいいものもあるのではないかと期待してしまいます。

TariTali 経由で開設した口座でしか使えないという制約はあるものの、しっかり稼げるのであれば問題はないと思います。

そこで、提供されている100個のEAについて検証してみました。

バックテスト環境

口座:TitanFX Zeroブレード口座(デモ口座)
プラットフォーム:MT5
ヒストリカルデータ:MetaQuotes(~2015年3月)、TitanFX(2015年4月~)*1
ストラテジーテスターの設定:
  延滞:遅延ゼロ、理想的な実行
  モデル:全ティック

*1:MT5で直接サーバーからダウンロードしたデータ(外部サービスのデータをインポートしたものではない)です。データの切り替わり時期はTitanFXのサービス開始時期に依存し、銘柄によって前後するようです。

検証手順

  1. TariTali はバックテストの期間を”2019年1月1日から2023年2月末頃まで”としているので、まずはこの期間のバックテスト結果がおおむね一致することを確認します
  2. 「1.」の期間外(2014年1月~2018年12月、2023年3月~2025年7月)をバックテストして過剰最適化と考えられるものを除外します
  3. 「2.」で残ったEAの中からバックテスト結果の数値が良好なものを抽出します

EAの素の性能を見るため、デフォルトパラメータから一部変更してテストしました。
(口座残高によって発注ロット数が変動するのを、0.1ロット固定にしました)

  • UseMoneyManagement true → false
  • mmLotsIfNoMM 1.0 → 0.1

検証結果

開発者が行ったバックテスト期間が約4年と短く、リリース後の期間も2年半ほどしかないので確信は持てませんが、ある程度期待できそうなものを見つけることはできました。

98.USDJPY M30

テスト期間14/1~25/7
(11.58年)
14/1~18/12
(4.99年)
19/1~23/2
(4.15年)
23/3~25/7
(2.41年)
損益グラフ*1TariTali(タリタリ)のEA「98.USDJPY M30」のバックテストの損益グラフ(2014/1~2025/7)TariTali(タリタリ)のEA「98.USDJPY M30」のバックテストの損益グラフ(2014/1~2018/12)TariTali(タリタリ)のEA「98.USDJPY M30」のバックテストの損益グラフ(2019/1~2023/2)TariTali(タリタリ)のEA「98.USDJPY M30」のバックテストの損益グラフ(2023/3~2025/7)
プロフィットファクター1.401.141.641.57
リスクリターン率
(10年換算)
7.832.9324.2327.60
期待利得(1Lot換算)9,851.1円3,599.2円15,674.6円13,758.6円
期待利得(Pips)9.85pips3.60pips15.67pips13.76pips
平均取引回数(月)7.0回7.1回5.9回8.6回
期待収益(1Lot月)68,563.3円25,642.3円91,831.7円117,804.7円
平均ポジション保有時間58時間39分56時間16分80時間30分37時間3分
*1:画像を右クリックして「新しいタブで画像を開く」で拡大することができます。

全期間をとおしての成績は優秀だと思います。

ただ、2014年1月~2018年12月の成績と、それ以降の成績が違いすぎるので過剰最適化の懸念がないとは言い切れません。

開発者がバックテストしたという期間(2019年1月1日から2023年2月末頃)の成績を、それ以降も維持しているのが救いですが、いかんせん期間が短いので確信は持てません。
あと数年は様子を見たいところですが、かなり期待の持てる成績ではあると思います。

使用するFX業者や口座タイプについては期待利得が高くて取引回数が少なめなタイプなのであまり気を使う必要はなさそうです。

あとはオーバーナイトする確率が比較的高く、かつ買いでしかエントリーしないので買いスワップの高いところを使うと少し成績が上がるかもしれません。

29.AUDUSD M30

テスト期間14/1~25/7
(11.58年)
14/1~18/12
(4.99年)
19/1~23/2
(4.15年)
23/3~25/7
(2.41年)
損益グラフ*1TariTali(タリタリ)のEA「29.AUDUSD M30」のバックテストの損益グラフ(2014/1~2018/12)TariTali(タリタリ)のEA「29.AUDUSD M30」のバックテストの損益グラフ(2014/1~2018/12)TariTali(タリタリ)のEA「29.AUDUSD M30」のバックテストの損益グラフ(2019/1~2023/2)TariTali(タリタリ)のEA「29.AUDUSD M30」のバックテストの損益グラフ(2023/3~2025/7)
プロフィットファクター1.361.181.621.36
リスクリターン率
(10年換算)
5.983.2222.5310.03
期待利得(1Lot換算)6,867.6円3,846.6円10,087.6円6,863.4円
期待利得(Pips)*25.54pips3.48pips8.14pips4.75pips
平均取引回数(月)4.8回4.6回5.2回4.6回
期待収益(1Lot月)33,198.8円17,861.7円52,755.3円31,637.9円
平均ポジション保有時間27時間49分27時間8分27時間53分29時間7分
*1:画像を右クリックして「新しいタブで画像を開く」で拡大することができます。
*2:テスト結果の取引ごとの約定価格と手数料、スワップから計算した値です。

全期間をとおしての成績はまずまずだと思います。

ただし、開発者がバックテストしたという期間(2019年1月1日から2023年2月末頃)の成績と、その前後の成績がかなり違うので正直なところ過剰最適化の懸念はあります。

とはいえ、2023年3月からの成績でも優秀なほうなので今後も様子をみる価値はあると思います。

使用するFX業者や口座タイプについては期待利得が低くはないのでそれほど気を使う必要はないと思います。

まとめ

「いいものがあればラッキー!」ぐらいの気持ちではあったものの、やっぱりそんなに甘くなかったなぁというのが率直な感想です。

とはいえ、期待値が高すぎたかなというのも正直なところです。
もう少し様子を見たいところですが、「98.USDJPY M30」なんかは使ってよさそうな気もします。

あと、今回はじめて他の人が作ったEAをテストしていて思ったことは、アルゴリズムがわからないと実際に運用するときに困りそうだなということです。
「あれ、なんでここで買わないの?」とか疑問に思うことがあっても確認する方法がないと思います。(もしかしたら製作者に問い合わせれば解決するかもしれませんが、詳細な状況説明が必要でしょう)
ほかにもパラメータを変更して微調整しようとしても過剰最適化にしかならない気がするし…。

そういうわけで他の人が作ったEAを使うとしたら、よっぽどバックテスト/フォワードテストの結果がよくないと使いにくいなあと感じました。
とはいえ”よっぽど”のEAがあるかもしれないので、また探してみようと思います。

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